Peter Magnusson からデベロッパーの皆さんへのメッセージ

英文のメッセージ の日本語訳です。

長いポストなのでまず要約を: 新課金体系の適用は 11 月 1 日に延期しました。インスタンス時間の半額期間を 12 月 1 日まで延長しました。Python 2.7 は 12 月 1 日をターゲットにしています。新課金体系では、多くの場合課金額が上昇しますが、皆さんが恐れるほどではないはずです。それから App Engine が依然として魅力的なプラットフォームであることを説明します。

私は App Engine 担当のエンジニアリングディレクターです。はじめまして!

我々は、App Engine がプレビューを卒業して Google の正式サービスになることをとても嬉しく思っています。新しい機能群、99.95% の SLA、改訂版の利用規約、有償サポートの提供、月額課金に加えて、価格体系を変更する予定でいます。先週、我々は “side-by-side” billing の機能と、それに伴う情報を記した e-mail を全ての App Engine 開発者の皆さんへお届けしました。この機能によって、新しい課金体系がみなさんのアプリケーションに及ぼす影響を確認できるようになりました。

このことで、みなさんを驚かせてしまったようですが、ここで 2 つのトピックについて詳しく説明したいと思います: これからのタイムラインと、値上げそれ自体のことについてです。

始めのトピック、タイムラインについてです。

多くのデベロッパーの皆さんは、新課金体系に向けてアプリケーションを適応させるための時間が少なすぎると感じています。我々は、5 月に新課金体系をアナウンスしました、そして side-by-side billing がチューニングの次の段階になると考えていました; 実際には、多くの(おそらく殆どの)デベロッパーの皆さんにとっては、side-by-side billing はチューニングの始まりに過ぎませんでした。

明らかに、我々は間違っていました: デベロッパーの皆さんが、アドミンコンソールに表示される情報を元に将来のコストを判断できると期待していたのですが、我々は鈍感に過ぎたようです。古典的な間違いをおかしてしまいました: 我々は自身のサービスについて慣れ過ぎていたのです。

そのことをお詫びしたいと思います。我々はこのことを理解しておくべきでした。また side-by-side billing をもっと早い段階でリリースするべきでした。とは言え、この問題は修正することができます: もっと時間的猶予を提供するつもりです。ですので、9 月後半に新課金体系を有効にする代わりに、その日付を 11 月 1 日に延期することで、デベロッパーの皆さんにアプリケーションをチューニングするための時間を提供するつもりです。

タイムラインについてもう 1 つ心配の元であったのは、Python 開発者の皆さんへ同時複数接続の機能(Java ではすでにご利用できます)を提供することになる Python 2.7 の提供時期がはっきりしないことです。この遅れを埋め合わせるために、インスタンス時間を半額にすることを決め、この値引きは 11 月 20 日に終了すると言って来ました。我々はこの値引きを Python 2.7 が使用可能であろう 12 月 1 日まで延長することに決めました。

2 番目のトピック、値上げについてです。

Google App Engine のビジョンは、Google のインフラ上で動くクラウドアプリケーションの開発環境を提供することです。具体的に言うと、App Engine で開発をするなら、それは以下のようであるべきです:

  • 始めるのは無料で、簡単に利用できる
  • 簡単にスケーラビリティを確保できる
  • メンテナンスが殆ど要らない

App Engine はプラットフォームコンピューティングにおけるトレードオフの典型的なケースです。何がお望みですか?高いスケーラビリティー、簡単に使用できること、メンテナンスが容易なこと、高可用性、セキュリティーですか?この中から 2 つを格安で提供することは誰でもできることです。ただしあなたがこれらのうち 3 つ、4 つ、又は全てをお望みなのであれば、簡単ではなくなります。我々はこれが、クラウドアプリケーションデベロッパーが最終的に望むことだと考えているので、App Engine では同時にこれらの 5 つ全てを実現することを目指しています。我々は、これがクラウドコンピューティングが行き着く将来の姿だと考えています。そこでこれらの全てをまとめて、無料プランと 2 種類の有料プランを提供することに決めました:

  • App Engine が提供してきた豊富な無料クオータは、この業界でも類まれなものでした。我々は無料クオータを提供し続けます: トラフィックが少ない小さな Web アプリケーションは App Engine で動かす限り無料であるべきです。新しい無料クオータの分量は以前より小さくなりますので、現存する無料アプリはチューニングが必要になりますが、原則は変わりません: App Engine はメジャーなプラットフォームの中では唯一、時間制限のない無料クオータを提供しています。もしあなたが小さなアプリを無料クオータの範囲に抑えることができないならば、我々のフォーラムで相談してみてください。手助けをしたいと思います(ただし、まずチューニングしてからにしてくださいね)。
  • 有料アプリケーションでは、リソースの利用に応じて課金され、最低額は月額 $9 で 99.95% の SLA が提供されます。その SLA では、定期メンテナンス期間を除外しません: App Engine のアップグレードはアプリケーションのダウンタイム無しに行えます。有料アプリの料金は、大多数のアプリケーションが総保有コスト(TCO)の面で他の競合よりも安くなるように設定されています。もしあなたのケースでこれが当てはまらないことが判明したならば、ぜひその内訳、計算方法を我々に伝えてください。有料アカウントの 2 種類目であるプレミアアカウントではそれらに加えて、運用サポートが提供され、月毎に請求書でお支払いができるようになります。

我々のゴールは、デベロッパーの皆さんにとってできるだけ良いクラウドアプリケーションプラットフォームを作ることです。これまで数年の間に皆さんから頂いたフィードバックは、高い可用性、さらに多くの機能、より早いバグ修正、制限の撤廃もしくは緩和でした。これらをお届けするために、App Engine は Google にとって継続可能なプロダクトになる必要がありました。はっきり言うと、我々は単に CPU cycle を売っているわけではないのです。大部分のコストは、App Engine サービスを開発したり、保守、運用したり、サポートしたりする才能あふれるエンジニアのためにあります。どんなエンジニアでも良いわけではなく、一緒に働くことが光栄に感じるような最も才能に溢れて献身的なエンジニアなのです。彼らは情熱を持って、このプラットフォームとみなさんの体験を気にかけています。そしてそれらはまさに、我々が投資したいと思っている領域なのです。

CPU cycle だけを見たとしても、全ての cycle が同様に作成されるわけではありません。これこそが我々がリソースの考え方を “CPU” から “Instance” へと変更する理由のひとつです。App Engine のインスタンス時間は完全に管理されており、十分な供給量を備え、完全に保守されたサービス群を備えた環境で動作し、隠れたコストというものは存在しません。たったひとつのサーバーをご自宅で動かす電気代でさえ、App Engine で大半のアプリケーションを動作させるよりも高価になるでしょう。

インスタンスは完全に冗長化されていて、また冗長化されたデータセンター間の切り替えは、我々が面倒を見ます。我々には 100% 以上の供給能力があります: 我々はたとえ 1 つ又はそれより多くのデータセンターを失ったとしても、アプリケーションに影響を与えることなく、全ての仕事をこなすことができます。またトラフィックのスパイクに対しても十分な供給能力があります: 日本の地震直後の一週間では、日本へのトラフィックが 2 倍ほどになりました。日本は、US に続きトラフィックの面では第二位の国ですから、つまりこの時、ほんの数日の間に 1 億規模の人口がある国 1 つ分のキャパシティーが余分に必要になったのです。App Engine は充分な供給力を持っているので、我々はこの時もさらにキャパシティーを増やしたり、設定変更したりする必要は全くありませんでした。

App Engine のインスタンスは Gmail や Docs といったサービスと同様のセキュリティーとモニタリング環境を持った我々所有のデータセンターで、動作します: 我々はセキュリティーのエクスパートによる大きなチームを雇用しています。またとても良くできる運用エンジニア(Site Reliability Engineer)がページャーを持ち、グローバルなタイムゾーンにまたがっています: サブシステムに問題があれば、我々が調査にあたります。あなた方は何もする必要はありません。1 月にリリースした High replication datastore(HRD)はローンチ以降、一度もサービス停止していません。

とは言え、新しい App Engine の料金は 高くなります 。事実、大きなアプリケーションの多くはチューニングを施した上で、以前と比べて 2 倍から 5 倍の料金になると思っています。小さなアプリケーションの多くはもはや、最適化をするかパフォーマンスを犠牲にしない限り無料クオータには収まらなくなるでしょう。無料クオータを超えて少しだけ課金されていたアプリケーションの多くはもはや、より多く支払う必要がでてくるでしょう。

しかし大多数のアプリケーションにとっては、正当にトータルコストを分析したならば、App Engine は大変魅力的なものになると信じています。また今後もどんどん良くなります。我々は今後もたくさんの素晴らしい改良プランを持っています。

読んでいただきありがとうございます。また psm@google.com 宛にお気軽にメールをください。もし今夜 San Francisco の Thirsty Beer に来るなら、一緒にビールを飲みましょう。

訳注: 我々はこの日(9 月 9 日)の夕方に San Francisco の Thirsty Beer にてデベロッパー向けの Meetup を開催しましたので、最後の挨拶がこうなっています。もし日本語でメールをしたい場合にはお気軽に tmatsuo@google.com までお願いします。

This entry was posted on Friday, 09 September, 2011.

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